イギリス王室ゆかりの植物画「ボタニカル・アート」の展覧会から果物に着目 300年以上前のイギリスにはどんな果物が?
イギリス王室ゆかりの植物園には、世界中から集められた700万点以上の植物標本が収蔵されています。
その中でも、300年以上前に描かれた「植物画」が、今、秋田市で展示されています。
約190点の中から、今回、果物に着目しました。
ギリシャ神話にも登場する果物・ザクロ。
熟成した果実や、食用となる種の部分まで、ザクロの様々な箇所が分かる、写実的な絵画です。
インドを訪れ、そこで見つけた「スイカ」を現地の画家に描いてもらった、スイカの絵。
真っ赤な断面に、種も表現されています。
秋田市のアトリオンの千秋美術館で開かれている、展覧会。
世界遺産にもなっている、イギリスの「キュー王立植物園」収蔵の植物画、ボタニカル・アートなど、約190点を展示しています。
いずれも300年以上前、日本の江戸時代などに描かれたものです。
18世紀以降、貿易を通して、世界の新しい植物がイギリスに輸入されるようになり、王立植物園は、資料として様々な絵を残しました。
ロンドン近郊で栽培されていた洋ナシ。
当時から、多くの品種があったことが分かります。
少しずつ、食後のデザートという風習も広まっていったそうです。
リンゴも多くの種類があります。
キュー王立植物園は、世界有数の研究機関としての役目も果たしているため、こうした数百年前の資料も、そのままの形で残されています。
関彩与子 学芸員
「植物の特徴を、写真がない時代に表すっていうことで、よく植物を観察して、時には鮮やかな色を使って、立体感も出しているっていうところが、美的にも思っています」
おいしいボタニカル・アート展は、来月22日まで、秋田市のアトリオンの千秋美術館で開かれています。