渇水の影響広がる 羽後町の事業所が水不足に苦悩…節水しながら作業 秋田
生活用水を井戸水や山を流れる沢の水に頼らざるを得ない山間地では、すでに渇水の影響が広がっています。
事業所にも影響が出ている羽後町を取材しました。
羽後町の山あいにある仙道地区です。
ひとつの事業所が水不足に頭を悩ませていました。
作業着などの製造を手掛ける「丸正あらや」です。
中国とカンボジアからの技能実習生が働き手の大半を占めています。
社長をつとめる夫とともに事業所を切り盛りする中国・大連出身の土田軍華さんは、技能実習生が住む寮の生活用水が足りていないと話します。
今にも底をつきそうな井戸水。
町によりますと、周辺地域の降水量は平年の10分の1程度にとどまっています。
また、製造作業の過程で欠かせないのがスチームアイロンです。
蒸気を噴射するために必要な水を節約しながら作業を進めています。
土田軍華さん
「水がないと本当に困ります。私、日本に来て21年になりますけど今年初めてです。」
水不足を受けて羽後町が始めたのが給水支援です。
町の福祉施設を拠点に職員が平日の午前9時から正午まで支援にあたっています。
1週間前から水が足りなくて困っているという相談が寄せられていて、30日までに9つの集落の16世帯が利用しました。
羽後町上下水道課 佐々木学課長
「しばらくまとまった雨の予報もありませんので、この状況はますます深刻になることが考えられます。利用状況や地域の現状を観察しまして、給水支援を続けてまいりたいと思います」
羽後町の給水支援は当面、来月8日金曜日までの予定です。
このほか大潟村では、水源としている八郎湖の水位低下のため3日前から村民に節水を呼びかけています。
渇水の影響が県内各地に広がっています。