大学の専門教育の総仕上げ「キャップストーンプロジェクト」 県立大生が企業課題の解決策を考案・発表 企業担当者の反応は? 秋田
キャップストーンプロジェクトという言葉をご存知でしょうか。
キャップストーンは「ピラミッドの頂上に乗せる石」のことです。
キャップストーンプロジェクトは大学の専門教育の総仕上げとなる取り組みで、近年広がりを見せています。
県立大学では学生たちが県内企業が抱える課題の解決策を考案し、30日、集大成の発表会に臨みました。
まだ着慣れないスーツに身を包んだ、県立大学の学生たち。
キャップストーンプロジェクトに参加したのはシステム科学技術部で学ぶ4年生、約160人です。
こちらの学生たちは「打ち上げ花火の玉を機械で包む装置の改良」について研究しました。
研究の成果を懸命に説明をしますが、その道のプロからは厳しいアドバイスも。
「これがうごくから。ああ。こっちが回転するんだ。これはこうぶれるの。そうです。それならわかります。そうやって言ってもらわないと。これが動いてるように見えるんですよね。これほらクリアに止まってるから。これが振動している絵があると、確かにこれが振動してるんだねとわかるけど、そうういうこともほんのちょっとした部分なんだけど、けっこうプレゼンというのは大事だから。だからあなたが伝えたいのはここなんですね。」
一方、こちらの学生たちが取り組んだのが、線路の点検に関する研究です。
作業員の安全を確保するため、センサーを線路に取り付けて列車の接近を把握するというアイデアを考案しました。
学生プレゼン
「今回列車のレールを伝わってくる振動から検知をという話になったので、まず検知できるというのが分かった時点で成果としては大きいというお話で今回でだいぶ発見ができたという」
JR担当者
「あの400m(間隔)お願いしたい。ふふふ。そこまでいったら本当に実用化。もう可能性が一気に高まる。100mでもとれるのが分かったら、まったくとれないかって一瞬思ったんですけど、意外ととれてる」
情報工学科4年 松井彩華さん
「社会に出てからというのは自分の企業内だけでなく他の企業とも連携して取り組む機会が多くなってくると思うので、そういう場でキャップストーンプロジェクトは生きてくるのかなと思います」
JR東日本秋田支社 松崎 智優さん
「各会社単独では解決できない、いろんな課題というのを全く違った目線で学生の新鮮な発想でぜひトライしていただいて、そういった企業だけじゃなくて大きな面で言えば地域の貢献につながるような取り組みにしていただければありがたいなと思っております」
県立大学はキャップストーンプロジェクトに取り組む学生を増やして、実践的な力を育くむとともに企業との関係づくりにもつなげたい考えです。