元プロ野球選手 成田翔さんが母校で野球教室 後輩に伝えたのは一番を目指す大切さ 秋田
秋田市出身で、プロ野球のロッテやヤクルトでピッチャーとしてプレーした成田翔さんが、先日、母校で野球教室を開きました。
成田さんはチームの中でも「一番になろうすることが大切。誰にも負けないように」と、野球に向き合う姿勢の大切さを伝えました。
この日、創立記念日を迎えた、秋田市の保戸野小学校。
創立151年の歴史の中で、唯一プロ野球選手になった卒業生が…。
廣田裕司アナウンサー
「成田さん、ご無沙汰してます。お久しぶりです。なんとなく、分かります?」
成田翔さん
「はい、全然覚えています」
廣田アナ
「あ、本当ですか?本当に?あ、うれしい!ありがとうございます。変わらないですね」
成田さん
「変わらないっすか」
成田翔さん、27歳です。
10年前の2015年、秋田商業高校のエースとして夏の甲子園に出場した成田さん。
身長は169センチと小柄ながらも、キレのあるストレートと大きく変化するスライダーをコースに投げ分け、甲子園の舞台で次々とアウトを重ねました。
秋田商業、80年ぶりのベスト8進出の立役者です。
「千葉ロッテマリーンズから3位で指名されました。おめでとう」
成田さん
「ありがとうございます」
この年のプロ野球ドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから3位指名を受け、プロの世界へ。
その後は、ロッテで7年、ヤクルトで1年プレーしました。
現在は東京の企業で働きながら、グループ会社が今年立ち上げた埼玉県のクラブチームで、編成担当兼コーチを務めています。
廣田アナ
「名刺交換をする日が来るなんて」
成田さん
「こんな、恥ずかしいので流さないでください」
廣田アナ
「いやいや。いいじゃないですか。大人になられたということで」
4年生の時に本格的に野球を始めた成田さん。
この日は、後輩たちへの野球指導に臨みました。
成田さん
「すごいみんなうまいので。少し教えたらもっとうまくなりそうですね」
廣田アナ
「成田さんとしてはやっぱりここは原点ですか?」
成田さん
「そうですね。小学校も中学校も高校も、自分を成長させてもらった場所なので、そういったところに貢献できるのはうれしいことですね」
まずは野球の基本となるキャッチボールを見て回った成田さんが感じたことは。
成田さん
「がんばって投げて相手に届かなくてオーバーしちゃったりしたらランナーってどうなっちゃう?前に進むよね?それだったらワンバンで投げて相手の胸に届いた方が、ランナーは進まないで済むでしょ?そういった小さなことだけど、ワンバンでもいいから相手の胸に返すこと。相手を思いやって投げることをこれから丁寧にやっていきましょう」
続いては、ピッチャーの投球をチェック。
成田さんの視線を見てみると、腕の振りなどではなく、選手の足の動きをずっと見つめていました。
重視していたのは「まっすぐ立つ」こと。
投げる時に身体の軸がぶれないようにすることです。
ピッチャーの基本であり、かつ子どもたちでも意識しやすいポイントで、投げる時の姿勢がコントロールにつながるといいます。
成田さん
「コントロールを良くするんだったら、まっすぐしっかり立つ。そこからキャッチャーに向かってしっかりグローブを出す。お尻で最後まで我慢我慢我慢。そしたらコントロールが良くなる」
「試合を作るためにも、まずはしっかりストライクを投げる。そしたら絶対に、バッターが打っても3割だからね。10打席あったら3本しか打てない。あと7打席はピッチャーの勝ち。だからまずはストライクを投げる。そしたら勝てるから。OK?」
保戸野小 6年 阿部夏久 主将
「友達を気遣って、しっかり胸に投げることとか、小さいことだけど大事だよなって思いました」
保戸野小 6年 高橋成瑠 投手
「踏み出した位置をまっすぐとか、軸足をまっすぐ立つとか、そういう感じなのを教えてもらいました」
「コントロールがいいピッチャーになりたいです」
高校時代、そしてプロ入り後も年代別日本代表に選出されるなど、この場所から大きく飛躍した成田さん。
この日、自身が野球を始めた年頃の子ども達に向き合い伝えたのは、野球に取り組む姿勢の大切さでした。
成田さん
「ランニングもちゃんとやったし、チームのメニューも誰よりも一番になろうとして頑張ってたから、なんでも一番になることが本当大切、このチームに負けないようにね、誰よりも負けないようにがんばってください」
成田さんは、これからも感謝の気持ちを忘れず、野球を楽しんでほしいと、エールを送りました。