秋田県の新たな最低賃金は全国最下位脱出の見通し 鈴木知事「素直に歓迎したい」 経営者側への支援策は来年4月以降になる可能性 

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秋田 2025.08.26 18:11

秋田県の新たな最低賃金が時給1,031円になる見通しとなったことを受け、鈴木知事は、素直に歓迎したいと評価しました。

新たな額に変わるのは来年3月末からになる予定になったことを踏まえ、賃金を支払う経営者側への支援策については、4月以降になる可能性もあると述べました。

鈴木知事
「別に順位争いをしているわけではないんですけども、単独で最下位であったというこれまでの状況から今度脱することになるということは、素直に歓迎したいと思います」

秋田県の新たな最低賃金が、時給1,031円となる見通しとなったことを受けて、このように評価した鈴木知事。

秋田よりも先に結論が出ていた鳥取県の額1,030円を上回り、知事が懸念していた、全国最下位の最低賃金とはならない見通しです。

県は、賃金を支払う経営者側への支援策を検討していますが、新たな最低賃金の適用の時期が、例年よりも大幅に遅い、来年3月31日からとなるため、支援を始めるのは4月以降になる可能性もあると述べました。

鈴木知事
「秋に適用の時期がくる前提で、それに間に合わせないといけないということで、急ピッチに検討しておりましたけども」「3月31日に適用するとなると、予算執行がほぼほぼ来年度になりますので、これを9月(議会)に上程するのかどうかというところまでは、まだ検討させていただきたいと考えております」

秋田県の新たな最低賃金は、全国で最も低い額にはならない見通しですが、全国や、東北6県の中でどれだけの位置づけになるのかは、他の県の動向次第です。

東北6県の中で結論が出たのは、25日時点で、宮城県だけです。

青森・岩手・山形の隣県がどれだけの水準の額になるかは、人口流出に歯止めをかけるうえで、重要な要素の一つとなり得ます。

新たな金額について議論した審議会には、他の県の動向を見極めたうえで結論を出すという選択肢もありました。

ただ、議論のまとめ役を務めた、審議会の会長である秋田大学の臼木智昭教授は、早期に結論を出すことを重視したと明かします。

秋田地方最低賃金審議会 臼木智昭会長
「どうやって最下位脱出するかというとダンマリを決めてチキンレースに加わるしかない。果たしてこれが制度としてどうなんだろうかと」「ブレーキ踏むところ見つかるまでずーっと我慢するのかということにもなりますし、それはこの審議会の建てつけ上ルール違反ではないです。ないですが…いかがなものかなと」

臼木教授は、目安額を示す国の諮問機関などが、他の県の結論に左右されない新たな議論の進め方を検討すべきと指摘しています。

秋田地方最低賃金審議会 臼木智昭会長
「要は先に決めた人が損をする。“後出しじゃんけん”をどこまでもやれるという話になっているので」「今我々が苦労している状況を勘案したうえで何か助けていただけるような枠組みとか示していただけると地方の、特に公益委員(議論に加わる学識経験者)のメンバーは早期決着ですとか、議論をあまり長引かせずに済むんではないかなと考えます」

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議論のあり方もそうですが、やはりスピード感が必要なのは、賃金を支払う経営者側への支援策となりそうです。

新たな額に変わるまでの間に経営者側ができることはかなり限られるはずですので、県や市町村は、すぐに支援できる手立てがないのかどうか、検討を続けてほしいと思います。