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2011年3月18日

県庁だより・秋田de元気に!

田村 いつもは県政の情報、県の動きなどアレコレを紹介しております。
今回は緊急事態ですので、秋田県知事である佐竹敬久知事にスタジオにおこしいただきました。知事、宜しくお願いいたします。
今、県庁もお忙しい状態ですよね?

知事 地震に伴いまして、秋田県内の対応は終わりましたけれども、救援物資を送る、あるいは、これからの被災者の受け入れ、県内の油が足りないという状況等々、てんやわんやです。

田村 お忙しい中、来ていただきました。
まずは知事からラジオをお聴きの皆さんへのメッセージをお願いします。

知事 県民の皆さまに私からお伝えしたいことがございます。宜しくお願いします。
去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0を記録する国内では最大規模の巨大地震となりました。東北の太平洋側を中心に多数の犠牲者を出すなど、その被害の深刻さは戦後65年間で最も厳しい危機ということであり、国家の非常事態と言える状況であります。
まずは、亡くなられた多くの方々のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、負傷された方々のご回復を心よりお祈り申し上げます。また、被災された方々には心よりお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復帰を願っております。
被災地での救援のため、本県からは11日、地震発生後、直ちに警察、消防、自衛隊、医療関係者などが多数、現地入りしまして、県民の懸命な救援活動を現在も続けております。しかし、今も数十万人の市民が孤立や避難を余儀なくされ、食料品や日用品、燃料、医薬品など物資不足の中で、寒い過酷で不安な生活を強いられています。
このような困難な状況を乗り切るためには、国が中心となって救援活動を行うことはもちろんですけれども、被災地の隣接県として、また、日頃、幅広い交流を重ねている本県としても、出来る限りの支援を速やかに行うことにしております。既に備蓄物資の提供や緊急の食料品、被災患者の受け入れなどを開始しておりますが、今後は市町村や企業・団体、県民の皆さまと一丸となって本格的な支援活動を展開したいと考えておりますので、ご協力をお願い申し上げます。
県内では、地震による人的、物的被害は大きくなかったものの、県内在住者が被災地で被害にあわれるケースも出てきております。県民の安全確認については、被災地等へ出かけられた県民の安否情報収集のため、県の災害対策本部内に専任のチームを設置しまして、県民からの問合せに対応しております。
震災の影響は今後、様々な形で私たちの生活に及ぶものと思います。
この先も県民の方々が暮らしに不便を感じることのないよう出来るだけ努めてまいりますが、国内の状況によっては、これまでと全く同じ生活にならないことも考えられます。自らの生活は自ら守ることが基本ではありますが、高齢者、障害者、子供や乳幼児、妊産婦など、生活の上でハンディを持つ方々は大きな不安を感じるものと思います。困難な時であるからこそ、こうした方々に対する思いやりや支え合いの心を忘れてはならないものと考えております。全ての人が安心して暮らすことができるよう、共に助ける気持ちを今一度、大切にしていただきたいと思います。
いずれにいたしましても、この先に予想される様々な震災の影響を乗り越えるためには、県民お一人お一人が冷静にこれを受け止め、使命感を持って、適切に行動することは欠かせないものと考えております。
このことを強くお願い申し上げまして、私からの県民の皆様へのメッセージといたします。
ありがとうございます。

田村 東北6県というのは、秋田を始め、非常に繋がりが深い所ですし、色々とお互いに頼ったり頼られたりしている所だと思います。
1週間経った今、知事は何をお感じになっているところですか?

知事 一時期の大地震というのではなくて、日本全体の様々なところに大きな影響がこれから出てくるわけです。
まずは、現地で大変困っている方々、寒空の下、燃料もない、食料もない状況の中で一生懸命生きようとしているおじいちゃん、おばあちゃんから赤ちゃんまで多くの方々がいらっしゃるわけですから、その方々を一刻も早く正常な暮らしの状態に(戻してあげなければならないということ)・・・そこには住宅もないわけですから(避難所等に)長い間いられない状況があるのですが、交通の便が途絶えていますので(困難な状況ではありますが、何よりも)命が大切ですから、(秋田県で)受け入れるなり、この方々について対応することが大切だと思います。

田村 その上で秋田県ができること・・・色々と県民に呼びかけて、今日も県庁に県民からの救援物資が沢山集まっていましたけれども、それを佐竹知事はご覧になられましたか?

知事 はい。

田村 それを見て、どうお感じになられましたか?

知事 (被災された方は)着のみ着のまま身ひとつで避難したわけで、寒いですから(秋田県では)まずは防寒着を中心に、昨日(3/10)の朝一番から(被災地へ)送っております。
大変な量の救援物資が県庁、あるいは市町村に寄せられておりまして、本当に有り難く思っております。
第2弾(救済措置)として(被災地からの避難者を)秋田へ受け入れて、現地に住宅等ができるまで避難生活を送っていただくということになると思います。

田村 自治体代償、財政の面で色々ありますけれど、困っている人が(目の前に)いるわけですから、やっぱり見過ごせないことですよね。

知事 自分たちの暮らしでちょっと我慢するところは我慢しなければならないとしても、我々は家も命もあるわけですから、家が無くなったり、身内が行方不明であるという方々に少しお回しするという心が大切だと思います。

田村 (知事の)お話の中にもありましたが、(私たち県民が)ちょっと不自由になるかもしれない、今まで通りにいかないところが出てくるかもしれない、でも、こうして秋田にいて、これだけ恵まれているんだから、ちょっとの我慢はして欲しいですね。

知事 今、油が足りないと言われていますが、これについては安心してもらいたいと思います。日本全体の油の生産能力や石油は、まだまだあります。ただ、タンクローリーが被災地へ行ったまま、なかなか帰ってこられないということですので・・・もうちょっと時間が経ちますと石油は一定程度、回復します。
電気は、ご承知の通り、福島の原発も含めて太平洋側の発電所がかなりやられていますので、復旧するまで少し時間がかかります。当面、節電していただくことをお願いしたいです。

田村 今日(3/11)の計画停電も回避されたということで、皆の節電への意識、できることからやろう!という気持ちの表れなんではないかと思います。

知事 不要不急の節電をしていただければ、計画停電は必要なくなるわけです。
色々な面で若干の不便を感じても皆で助け合っていければいいですよね。
被災地は電気も通じていないわけですから・・・

田村 リスナーの方からメールをいただいています。
RN:秋田を愛する男さんからです。
「秋田には日本一の地中式石油備蓄基地が男鹿にありますよね。秋田からはナゼ遅れないのでしょうか?県の持ち物ではないので佐竹知事もどうにもならないでしょうが、政府に声を届けてください。」

知事 あそこ(男鹿市)にあるのは原油なので、あのままでは使うことができません。

田村 原油は、ガソリンや軽油、重油なんかに分けられるんですよね。

知事 原油は、製油所へ持っていって製油しなければならないんです。
原油は、有り余るほどあります。問題はタンクローリーがないだけなんです。

田村 (原油を)運ぶためのタンクローリーがない・・・

知事 (タンクローリーは、今は)被災地へ出かけていて、道路事情が悪く、なかなか到達できないわけです。ようやく昨日(3/10)あたりから(秋田へ)戻り始めました。また、仙台の油槽所が全滅しましたので、供給が途切れたということです。心配していただかなくても、もうちょっとで(供給できるようになりますから)大丈夫です。

田村 これから、まだまだ長引くことですし、秋田県の支援というのもどうしても必要になってきますよね。
匿名の方からです。
「秋田でも被災者の受け入れを始めたようなのですが、いつからは入れるのか、どこで手続きをすればいいのか、費用はいくらなのか、何日までいられるのか、詳しく教えてください。」
まだ、そこまでは決まっていないんではないですか?

知事 県の施設、あるいは市町村の施設、あるいは民間の旅館やホテル等を含めて、約24,000名までは受け入れることができます。
岩手県とやりとりしまして、ある程度、グループごとにまとめてお引き受けをする(という話で進めています)。
家を失くしてしまった方は当然、無料です。
今、県庁に(避難者受け入れ支援の)チームを作って被災地とやりとりしています。
被災地へ担当者を派遣しまして、順次、あちら(岩手県)から来ていただくということになります。
県庁にお電話いただければ、避難者受け入れチームがありますので、そこで色んなことを受け答えできるようになっております。

田村 (匿名さんのメールには)「県庁に問い合わせても、詳細は決まっていないと言われました。」とも書いてありますが。

知事 実は、細かいこと・・・今、どこでという施設等のところまでは・・・

田村 そこまでは、まだ決まっていないということですよね。
今、交通整理をして、スムーズに入れるように体制を整えているところなんですよね?

知事 個別だと、なかなか対応に困るんですよね。

田村 例えば(個別に)宮城から来ました、福島から来ました・・・というよりは・・・

知事 宮城県の方は山形県へ、岩手県の方は秋田県へ、(秋田県内でも岩手県の)南の方を県南の方へ、なるべく近いところで割り振りして、組織的にやるということであります。

田村 そうであるとスムーズに来られるし、比較的顔見知りの皆さんと一緒に秋田で生活を送ることにもなるでしょうし、ストレスも減るんじゃないかと・・・

知事 子供さんが沢山いる場合は、親御さんも含めて小学校単位でお引き受けする・・そういうことも必要なんですね。なかなか簡単にはいかないんです。

田村 思った以上に、簡単に「受け入れればいいじゃないか!」「はい、いらっしゃい!」というわけにもいかなくて、ある程度、筋道を立てて、順序立ててやらないとスムーズにいかないですよね?

知事 今すぐご自分で(秋田県へ避難して)来られる人は、まだ良い(恵まれている)人・・・割とご自分でできる(環境にある)人なんですね。本当に家を失った方、孤立して未だ来られない(移動手段もない)人が(他に)いるわけです。自分で動ける方をどんどん受け入れてしまうと、高齢者や子供さん、海岸付近で孤立した被災所にいる人を受け入れることができないという(ことが起きてしまうので)、一定の整理をしないと後で混乱が起きるという(可能性があります)。

田村 そうですね。今、下準備をしているところですので・・・
県庁内に設置された被災者受け入れチームのことで確認取りたい方は、018-860-4505へお問合せください。
被災者受け入れの準備は着々と進んでおりますので、もう少しまとまってきてから、秋田での生活が始まるんじゃないかと思います。
知事、最後に何か言いたいことはありますか?

知事 この後、長い間、避難者の皆さんが秋田でお暮らしになることになります。県民の皆さんで、本当に不自由な、何もない、お家を失くした方ですので、温かく迎えていただきたいと思います。
それから、今後、物資輸送等でこの日本海側、秋田県の港や空港が使われます。秋田県からでないと岩手県へ入れない、被災地へ物資を運べないわけです。道路等に大型車がどんどん来たり、空港に海外からの援助物資が届きますので、県民の皆さんには若干ご不便をかけると思いますが、大いに秋田県民の力を出して、隣の岩手県、そして宮城県の皆さんを色んな面でバックアップしていただきたいと思います。お願いいたします。

田村 同じ東北に住む皆さんですから、困っている人を見たら助け合っていきたいと思いますね。
今日(3/10)は佐竹知事、生出演!スーツではなくて出動服でいらっしゃいました。緊急事態を物語っております。
県庁だより・秋田de元気に・・・秋田県知事・佐竹敬久知事とお送りしました。
引き続き、陣頭指揮、宜しくお願いいたします。
ありがとうございました。

知事 ありがとうございました。宜しくお願いいたします。

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