エネルギーのことを考えています。

例えば生きものは、自身の生命を維持するために、「喰う/喰われる」ということでエネルギー変換をします。現在の私たちの文化は、ハンターギャザラー(狩猟採集)という原型を発展させてきたものです。獲物を捕り料理する、木を伐採し石を積み家にする、モチーフを集め絵画にする、部品が集積した機械もそうです。また採集したものを解析し農耕という「生産」も生みだしました。自然界から道具を通してハンティングし人間界へ引きずり込み、それらをギャザリングし組み合わせる。しかし、こうしたハンターギャザラーの応用やカスタマイズを続けているだけでは、いつまでも「人間界へ引きずり込む」方向にのみ文化が進みます。この「原型」をいかに解体し転換できるかが、今、芸術に担わされている役目のように思うのです。
今回鴻池は、喰う動物たちの姿を描いた幅8m×高さ6mのカービング(板彫り絵画)、今年授かった毛皮と山脈の空間「ドリーム ハンティング グラウンド」などの新作を交えて、原型を揺さぶります。美術館の背後には奥羽山脈が控えています。山脈は人が定めた県境や東北という枠組みさえも取りはずし、互いに執着を捨て地形をまなざせと促しているかのようです。もはや私たちが考える観客は、人間だけではないからです。