「金子みすゞ童謡集」 JULA出版局 からゴゴマキ図書館
2012/04/14
「金子みすゞ童謡集」 JULA出版局 から
「日の光」
おてんと様のお使いが
そろって空をたちました。
みちで出会ったみなみ風、
(何しに、どこへ。)とききました。
ひとりは答えていいました。
(この「明るさ」を地にまくの、
みんながお仕事できるよう。)
ひとりはさもさもうれしそう。
(わたしはお花をさかせるの。
世界をたのしくするために。)
ひとりはやさしく、おとなしく、
(わたしはきよいたましいの、
のぼるそり橋かけるのよ。)
のこったひとりはさみしそう。
(わたしは「かげ」をつくるため、
やっぱり一しょにまいります。)
「木」
小鳥は
小えだのてっぺんに、
子どもは
木かげのぶらんこに、
小ちゃな葉っぱは
芽のなかに、
あの木は、
あの木は、
うれしかろ。
「美しい町」
ふと思い出す、あの町の、
川のほとりの、赤い屋根、
そうして、青い大川の、
水の上には、白いほが、
しずかに、しずかに動いてた。
そうして、河岸の草の上、
わかい、絵かきのおじさんが、
ぼんやり、水をみつめてた。
そうして、わたしは何してた。
思いだせぬとおもったら、
それは、たれかにかりていた、
ごほんのさし絵でありました。

