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2014年08月12日

高校放送講習会1

ABS秋田放送では毎年、高校生の放送部のための「番組制作講習会」を開催しています。
ABSの各分野の社員が講師を務めるという講習会です。

高校の放送部にもコンテストがあって、短いラジオ番組やテレビCMを作ったり、朗読したり、原稿を書いたり、あるいは脚本を書いたりすることもあります。

そこで放送部の技量を高めようと、プロが講師になって高校生に教える機会を設けているわけです。

田村の過去のブログ(2010年09月03日)にも、過去に講師を務めた高校番組制作講習会の様子が掲載してあります。

今回は、与えられたテーマで1分30秒以内の原稿にしてそれを自分で読む「アナウンス実践コース」の講師を務めることになりました。
秋田市文化会館で8/27(水)の開催です。

で、皆さんから事前にアナウンス実践コースでの質問が寄せられていたので
「質問に当日会場で答えるよりもWEBに掲載したほうがみんなどこからでも読めるし確認できるだろう、おまけにアクセスも増えるだろう(笑)」
と思い掲載します。

2回シリーズにして出し惜しみをすることで、ブログの執筆回数が減るというメリットも個人的にはあるわけです。

で、みなさんから寄せられた質問とそれに対する田村の回答です。あくまで私的見解です。ほかのアナウンサーは異なる考えをもっているかもしれません。その辺を念頭に置いて楽しく読んでください。

あと、事前にメールで先生から送られたと思いますが、田村のほかのブログにもテクニックの一部が記載されています。当日文化会館に来る前に予習をしてきてね。そのほうが頭に入り易いと思います。

第1回はアナウンス技術です。

Q.しっかり語尾を下げるにはどうしたらいい?

高い声を出す訓練は比較的容易に出来るし訓練をしやすいけれど、低い声はそうはいかない。
なら読み始める音をいくらかでも高くスタートしていれば、
つまり通常の読みの音を高くすれば苦しく喉をしめなくても着地できるはず。

低く出せない→じゃあ語尾以外を高くすればいいや

Q.間や緩急に気をつけても読みが単調になる。練習方法は?  
Q.単調にならないためにはどのように工夫するべきでか?
Q.読みにおけるアナウンスならではの表現の仕方

基本的には間や緩急をつけていれば単調にはなりにくい
実際の読みを聞いてみないとわからないけれど、参考に間のとりかたをブログで紹介している。(2013年6/27田村のブログ
3秒以上の長い間をはじめ、0.2秒ぐらいまでの間の取り方を意識して使い分けられるかがポイント。
田村のニュースは、 間の取り方でほぼ成り立っていると言っても過言ではないぐらい 間を気をつけている。
しっかりした文章を読み、間をしっかり取ると 非常にわかりやすく聞こえる。
  

Q.語尾がのびたり、流れることなくするにはどうすればいい?           
  
伸びないように短くする事。
流れないようにしっかりとめること。
そのままです。
 
どんな流れ方をするのか分からないけれど、ただの読みのクセだと思う。
 
「開かれました」という7文字を5秒かけて読んだとき
「ひーらーかーれーまーしーた」と流れずに「た。」と止められると思う。
あとはそのスピードを5秒から4.5秒に、4.5秒から4秒に、3秒に、2秒にって縮めていけば、語尾は止まっていると思う。

早口言葉と一緒で、ゆっくりならみんな言える
じゃあそれを時間をかけて短く縮めていく努力が大切

いきなりできないなら時間をかけてゆっくりと。

Q.鼻濁音が訛って聞こえるので、どうしたらいい? 

ンが強すぎるか意識しすぎるかもしれない。
鼻腔が狭いか、もしくは慢性鼻炎などの可能性もある。
ブリーズライトを使う方法もある。レーザーで鼻腔を焼く手術もある。
田村はスギ花粉のアレルギーを防ぐためにやったけど、数年経ったら戻ってしまいました。

もともと鼻濁音は訛って聞こえやすいので気にしなくていいかも。

気になるなら、スロー再生ぐらいの速度でゆっくり発音する。
それを段階を経て段々速くしていく。

Q.サ行 ラ行の読み方の注意点はありますか?

サ行は、歯に隙間があると音が漏れて発音しにくい。
物理的に音が出せない人もいる。それはあとは歯科医に相談するしかない

ラ行は、幼児が音を習得するなかで最も遅く習得する音。
舌をはじくようにして音を出すので難しいから、子供はうまく音を出せない子が多い。
反対にラ行を甘く発音すると、こどもっぽく聞こえる。
2~3歳児をイメージしてみて

「コアらぁがいた(コアラがいた)」
「ベゥトがこわぇちゃった(ベルトが壊れちゃった)」
「いんごたべたい(リンゴ食べたい)」
「あぃがと(ありがとう)」
 
舌が長い人、舌が広くてでかい人、舌が短い人、肉体的に不利な人も多い。
田村も舌がでかいため超苦手

ゆっくり発音するとみんな出せるので、同様にそのスピードを1週間かけて速めていく。
舌の筋肉のトレーニングになる。

Q.「 」は感情を込めて読んだ方が良いか?

断定は出来ない、ケースバイケース。
「じゃあどんなときならよいのか?」と言われるけれど、わざとらしくなければ 感情込めてもよいと思う。
しかし演劇のようになってしまうと行き過ぎ。

ただし朗読やアナウンスには演劇の要素も必要。
淡々と読んだほうがよいというタイプの人もいるし、本当にケースバイケース。

Q.発声を良くする方法(腹式発声含め)
Q.アナウンサーのような声にするにはどうしたらいい?

アナウンサーが全員腹式呼吸が出来ているわけではない。
細かく論じると大変なので、簡単に。

喋りながらおなかをひっこめていく発声を実践すること。
歌を歌うときも同じ。
よく言われるように仰向けになって寝ているときの呼吸は腹式呼吸。
寝ながら呼吸して声を出して、体の使い方=発声(呼吸)を体で覚える。

カラオケに行って1人1時間以上歌っても、腹式呼吸で 歌っていると疲れない。 

喉から声を出していると喉が疲労して痛くなってくるし、 喉が枯れてきます。
2人で3時間カラオケを 楽しめるように、おなかを使いながら歌ってみてください。
それをそのまま原稿を読むときに実践して下さい。

おなかに力を入れる発声です。
 
オペラ歌手の声を聞くとみんな一様に聞こえます(悪い意味じゃなく)
それは正しい発声法で声を出しているからです。
つまり誰でも 訓練をつめばテノール歌手のような声を出せるはずです。

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