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2017年10月19日

あきた伝統野菜「湯沢菊」

今が盛りと鮮やかに花開いている「湯沢菊」
食用菊で 秋田の伝統野菜のひとつ です。

菊 1

自称「伝統野菜ハンター かおり」(^^)ゞ
秋田県内 その土地その土地で 地域の人々や風土に育まれ
暮らしの中で受け継がれてきた「あきたの伝統野菜」
に会いたくて ラジパル中継で お訪ねしています。

畑とラジ

「湯沢菊」を栽培しているのは 湯沢市の菅さん。
菅さんは ここで70年近く 湯沢菊を栽培しているそうです。

おかあさんと摘む

奥様がお嫁に 来た時には、おじいさんと一緒に「花摘み」をしたそう。
その時には「男性も女性も お花の中で 作業をするんだな」と
心の中で思いながら 花の鮮やかな黄色に目を奪われ ていたのだとか。

湯沢菊の特徴は、その眩しいほどの黄色。
レモンイエローのような柔らかさもある色合いはなんとも美しいまで。
瞬きで目を閉じても 色が広がるような気持でした。

菊 アップ こちら

「湯沢菊」は やわらかい花びらを食べます。
さっとゆでて おひたしや和え物にするほか県南の漬物に活躍しています。

なすのふかし漬けや、麹漬けにも 欠かせない存在です。
ちらし寿司に 花びらを散らし、彩りと香りを味わうのも!おすすめだそう。

あきたの伝統野菜について 調べている県の職員の方に聞いたところ
「湯沢菊」の栽培は、昭和20年代に在来キクの中から食味の良いものを選抜し、
食用菊として定着したということ。
早生で夏キクの特性を持ちながらも霜が降りるまで出荷できる
花付きがよい長期出荷のキクだそう。

菊畑 ひき

夏の7月~10月まで 次々に花を咲かせ
深まる秋に その味わいがよくなる とも言われています。
湯沢の地域では 生活の支えとなる「菊栽培」だったということ。
昔は「夏のやさい」は菊の花くらいしかなかったのだそう。
そんな中「湯沢菊」は、東北での菊栽培の「はしり」だったのだとか。

菅さんの奥さまは、
「昔は、少しでも土地が空いていれば菊を植えるほど盛んだった。
このあたりでは全戸と言っていいほど菊を栽培していた」とお話していました。

菊の花が開くと 秋田市に湯沢菊を運ぶ仲買人が来て、毎日、毎日
車を花でいっぱいにして運んで行ったのだそう。
菅さんの奥様は 車いっぱいの菊の花の華やかな様子が
目に焼き付いているのだとか。

「いったい、何百キロ いったんだすべな。
毎日、毎日 花摘みを 続けていっても売れていった」と笑っていました。

菊 アップ

栽培の難しさや、食生活の変化、栽培者の高齢化などで
「湯沢菊」を栽培し出荷しているのは、菅さんの家 だけとなりました。

菅さんご夫婦も 70代後半の年齢を迎え
「今年でやめようか、今年でやめよう か」と毎年 お話をしているのだそう。
それでも「なんぼかないとさみしいな」そんな思いで 栽培を続けています。

かおり 摘む

10月。早朝の花摘みは、花が冷たく 体にもこたえます。
昔はなかった ダニなどの被害も出てきたそう。
花を美しく開かせるための手間暇は想像以上の作業なのだと感じました。

「来年も栽培は続けますか?」の問いに
「この冬 ふたりで 考えます」と奥さま。

湯沢に つづいてきた黄色の鮮やかな菊の花。
その色どりと味を 感じて 地域の魅力として 
つがることを願った ラジパルでした。

「湯沢菊」は 秋田市へ出荷されています。
秋田市民市場で手にすることが出来ますよ!

(取材 ラジパルスかおり)