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2017年6月8日

290年続く 江戸時代のお茶~能代 檜山茶~

能代市檜山地域に江戸時代 中期から伝わるお茶「檜山茶」
檜山城下の武士の内職として、京都の宇治から持ち帰ったお茶を
栽培したのが始まりです。
栽培し販売している お茶の地域の北限であることから
「北限のお茶」とも称される「檜山茶」
最盛期には200軒ほどの栽培している方がいたそうですが、
今では2軒が受け継ぐのみとなっています。

大高園

ラジパルは「元祖 檜山茶 大高園」を訪ねました。
園主の 大高翔さん(25歳)は、茶園をついで20代目。

2ショット

大高家では、江戸時代から続く 樹齢280年余りの茶の木で
新芽を摘み、お茶を作っています。
今は、ちょうど 茶摘の時期。

新芽

今日は、摘んだ茶葉を「檜山流」と呼ばれる伝統の方法で
製茶しているところでした。

茶小屋

茶小屋には、釜、ホイロと呼ばれる 土と藁を固めて作った炉。
そして、使い続けて100年になるという 道具がありました。

大高園では、江戸時代と同じ製法で製茶しています。

釜

摘んだ茶葉は、すぐに作業せず、1日寝かせ 熟成させてから 
次の日に 釜で蒸します。その後、手作業でパラパラと水分を飛ばし

ホイロ

炭の上で藁を燃やした ホイロに 和紙を広げ
茶葉に 藁から出る 煙で香りをつけて 手で揉んで行くそう。

その後も、茶を揉む作業が繰り返され、製茶の工程には1週間ほどの
時間をかけるのだとか。

すべて、手作業で取り組む 丁寧な 製茶。
1回の製茶作業では、20個ほどの「檜山茶」を作るだけになります。

檜山茶

大高さんは、祖父が亡くなった後、ひとりで 作り受け継いできた祖母に
習い、3年前から「檜山茶」の製茶に取り組んでいます。

また、大高家は 代々、 檜山の神社の神職を受け継いでいます。
翔さんは、大高家の神職を受け継ぎ 21代目。

能代地域の22の神社の宮司もされていて、
神社の神事とともに、伝統的な 檜山茶の製茶に 取り組んでいます。
茶畑も少しずつ広げ、摘める葉を多くしたら、紅茶の製茶も
行っていきたいと 今は 考えているそう。

製茶できる量が少ないため、今年度の檜山茶は予約が終了。
「1年~2年待ちとなってしまいました」と大高さん。

待っていただいても、受け継いできた茶の木と製茶方法で
丁寧に作って お茶をお渡ししていきたい。とお話していました。

「檜山茶が、檜山地域を知って、足を運んでもらえる
ツールにしてもらえれば」と考えているそうです。

茶畑

檜山の静かな山々と歴史が 見守ってきた「檜山茶」
大高さんが穏やかな表情の中で 丁寧に作業されていく様子には
「檜山茶」の持つ ヒーリングパワーをも感じたラジパルでした。

(杉の木立に囲まれ、日が当たらない場所で栽培される檜山茶は
 玉露に近い感じだそう。炭と藁でスモーキーな香りがつけられ
  ハーブティーに近い感覚の 味わいなのだそうです!
  1~2年待ちます!と予約してきた かおりです)