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2009年6月25日

2009年6月25日(木)

賀内です。

番組の中で、「気になる言葉づかい」の話になりました。
私が最近気になっているのは「て抜き言葉」です。「手抜き」ではありませんよ。
「見れない」「来れない」などの「ら抜き言葉」は、すでに昭和の頃から話題になっていましたが、「て抜き言葉」とは何か。

 
例をあげますね。
忘れ物をした。そのことが気になっている。
私たちの世代なら「忘れ物をしたのが気になって」と言いますが、若い人はこれを「忘れ物をしたのが気になり」と言うのです。「りー」と、ちょっとのばし気味に。
最初に気づいたのは、去年だったか、おととしだったか。高校生がこういう言い方をしていたんじゃないかな?次第に上の年代にも広がっていき、高校生に影響されたか、学校の先生までが「職員会議の議題に上りー」と言ったのを聞いたことがあります。

先日、ABSテレビの「世界の果てまでイッテQ!」を見ていたら、イモトアヤコという、眉が太くて野生動物と親交が深い(?)タレントが、自分はタレントとしての基礎がなっていない、という意味のことを言ったあと「動物に助けられ、(VTRの)編集に助けられ」と言っていて、「ああ、これも、て抜き言葉だな」と思いました。
私なら「助けられて」と言うところですが。文法的に間違っているわけではありませんが、書き言葉の文脈が話し言葉にはいりこんできたような感じがして、「なんとなく気になってしまう」のも事実です。

 
昔、書いてはいけない平凡な日記の例として「朝起きて、顔を洗って、 ご飯を食べて」というのが引き合いに出されましたが、今なら「朝起きー、顔を洗いー、ご飯を食べー」となるのでしょうか。

 
「抜き言葉」をもうひとつ。それは「い抜き言葉」です。
「寒い」「古い」「早い」...形容詞の終止形の最後に付く「い」を抜いて、「さむ」(より正確な言い方は『寒っ!』かな)、「ふる」「はや」というのも、定着してしまいました。

「上から目線」という言い方、これはもう、瞬時に広まりましたね。かつては「高飛車」、くだいて言えば「偉そうに」というところでしょうが。

私どもにとって、言葉は商売道具です。お寿司屋さんが包丁を手入れするのと同じように、運転手さんが車をピカピカにみがくのと同じように、商売道具の言葉を常に磨いておかなければ...

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