シリーズ防災

「避難訓練、本当に有効?」 2008年5月23日(金)放送

秋田県内25市町村の教育委員会に「小学校の避難訓練」の実態調査を行いました。
回答のあった17の市町村のアンケート内容を基に話を進めていきます。

【回答】
◆地震の避難訓練は緊張感が欠ける。
◆安全な状態の中で避難の緊迫感を維持するのが難しい。
◆訓練を楽しみながら行っている。
◆高学年は、ただ避難すればいいという気持ちを持ちやすい。
◆1年生位はいつもと違うので、お祭り気分になって、避難することにおもしろさを感じている。
◆訓練とわかっているので、現実感がない。

賀内:では、この状態で避難訓練をどういう風に考えるべきでしょうか?

渡部さん:2つ考えられます。
-----緊張感がないという点-----
より現実的なものにする為には、企画し実行する学校の先生側のモチベーションや意識が問われます。この意識が低いとマンネリ化してしまいます。子供たちは、先生たちの顔・行動・言動によって訓練の意識が大きく影響されます。緊張感・臨場感がない訓練はマンネリ化され、ただ時間だけが過ぎていくものになってしいます。問題点の見つからない訓練は、防災訓練としては失格!!失敗です。
訓練というのも、体に覚えさせていくという上で演出がいります。
私の出したアイデアですが…普段の授業で先生は、自分の机をガタガタと揺らし、「地震だ!」と叫びます。というところからこの訓練をスタートさせます。これは今までとは違います。先生自身も真剣に、自分の机を揺らすという行動をとるので、子供たちもシビアになります。自分が揺れを演出するというスタートのところからモチベーションが違ってくるのです。知恵をだす・演出を出すということが訓練の中で大事です。

-----日本海中部地震を考えると、「津波」に対する訓練をどういう風に考えているのか?という点。-----
津波が襲ってくる危険エリアにある学校は、津波の訓練は当然やっていかなければなりません。そのメニューはどうなっているのかチェックしていただきたいです。

賀内:続いて「訓練内容」ですが、◆机の下に隠れる ◆体育館の真ん中に集まる ◆押さない、走らない
どういう風にしていくべきですか?

渡部さん:今、四川省で起きている現象が日本の学校にも起こりえます。
1981年以前に造られた耐震化の不適格な学校が崩壊します。耐震補強のされていない学校のケースでは、日本海中部地震のような大きな地震が発生すると、今四川省で起きている現象と同じようなことが起こります。そうなると、今ある訓練内容の「机の下に隠れる」という行動でいいのか?是非考えていただきたいです。学校が潰れると、机の下に隠れた子供たちがそのまま生き埋めになってしまいます。不適格学校は、机の下にもぐるよりできるだけ早く外に出るほうが命を守る可能性につながります。
ただ、1階〜4階の子供をどうやってだすのか?ルートは?出入り口は?という点で もっと現実的に考えなければいけません。

賀内:秋田で避けて通れないのが、雪の時期(寒い)の天災は起こりうるということです。
秋田市47校では「雪国防災訓練」が冬の地震があった場合を想定して行っています。防寒着を着ないで外に出て、寒さを体感します。秋田という土地柄を考えると寒い時期の避難は、学校の現場ではどう考えていけばいいのでしょうか?

渡部さん:秋田市の事例は評価します。
しかし、ただ歩くのではなく、避難の場所となりうる寒い体育館で長時間を過ごさなければならない現実を、あの体育館の板の上がどれだけ寒いのかを、合わせて体感してほしいです。これは、子供達だけでなく地域の人々も訓練の中でメニューに入れていただきたいです。

「地震に対する備え」 2008年5月22日(木)放送

地震が発生。
近所を散歩中に襲われる場合もあるし、避難場所に移動する際、いつもの経路と油断していると危ない目に遭うこともあります。
普段はなにげないあなたの街の危険地帯を検証します。
秋田市防災対策課の木村さんと秋田市をチェックして歩いてみます。

◆空き地
家は解体されてないが、背の高い160cmほどのブロックの塀が残されている。
→上にコンクリートの板がのっているので、ちょっとしたことで崩れる可能性が。 とても危ない。

◆電柱
大きい地震の際、倒れる可能性が。電線が垂れ下がって感電するということも考えられるので注意。

◆自動販売機
転倒の可能性がある。 重いものは500kg。大人1人ではよせれるものではない。

今年で30年をむかえた宮城県沖地震。死者の多くはブロック塀で亡くなっています。これが全国の教訓になっていて、ブロック塀を生垣に変えようという動きがあります。特に、通学路にはブロック塀を無くそうという自治体が増えています。

落下物に注意が必要です。自動販売機は横から降ってくるし、電線は上から。看板も注意が必要です。都心部の中心の市街地には、エアコンの室外機が多く設置されています。狭い道路の両側に、上を見上げるとちょこんと2階のベランダなどにのっています。室外機は看板と一緒で、耐震基準がありません。古いものは錆び、触っただけで落ちてきそうなものもあります。あくまで設置者の義務で、ちゃんと留めることが非常に大事になってきます。

避難路に橋がある場合は、その橋が落ちてしまったら、避難所までずっと遠回りしなければなりません。また、避難路の周囲に木造密集地がある場合、そこが火事になると安全が確保できなく、通れません。

街の中の危険の要素というのは、避難路だけを考えるのではなく、もう一皮剥いた見方が必要です。
普段から避難路をチェックしていかなければならないのです。もし、通学路になっている所に危険の要素が残っているのならば、行政を通して排除することをやっていかなければ子供の安全は守れません。

ハザードマップについては、防災に関わる情報は、行政・国から与えられるものだけで考えてはいけません。それをもっとも身近な情報に置き換えていくには、町内会・家庭レベルで検証していかなければならないのです。
今公開されているハザードマップを、自分たちの手で、足で、目で身近な情報として、新たなハザードマップとして作り上げていかなければなりません。
ただ、行政には個人情報の壁があって、なかなか出せません。行政からは出せませんが、町内会というクローズなコミュニティの中では、個人の了解を得れば「町内会ハザードマップ」の中に色々な情報を入れることが出来ます。
例えば、支援を必要とする人がいる場合、(障害者・高齢者世帯)その個人情報をきちっとマップに位置づけすることができます。
東京都杉並区の例を紹介します。町内で「独居老人を誰が救うのか?」という大きな問題が…
行政からは個人情報の壁があって出せませんが、自分たちで一軒一軒歩いて了解を得てマップを作成しました。
独居老人の方を救う為の順番が決められています。A老人を隣のCが救う。Cが不在の時はEが救いに行く!という細かな取り決めがされています。これは町内会だから出来ることです。

「緊急時の食料・行政側の備蓄の備え」 2008年5月21日(水)放送

地震が発生し避難の際、全てを投げ出して逃げてくるという場合が多いです。気になる食料や水などはどうなっているのか?
地域の小中学校の空き教室に蓄えがあるのはわりと知られていますが 実際どのようなものがどの位あるのでしょうか?

秋田市防災対策課の 木村としおさんに案内してもらいました。

秋田市では全部で11カ所に緊急避難物資を備蓄しています。秋田市城東中に来ました。
カギがかかっていますが、緊急時にはいつでもカギがあけられます。

中には…
◆毛布………ダンボールの中に1100枚以上
◆反射式石油ストーブ………灯油は保管が危険なので災害発生後に市のほうで用意
(食料)
├◆粉ミルク
├◆カンパン………ビスケットのようなもの
├◆非常用カンパン(缶詰)………缶の中にふわふわのパンが2個入っている
└◆非常用の白米(おかゆ)………冷たいままでも食べられる。2000食以上
◆仮設トイレ………車椅子対応型
◆排泄用の袋………1900袋。バケツなどにかけて使うもの
◆トイレットペーパー………3000ロール以上

渡部さん:日本では今、広域外から被災地に仮設トイレが運び込まれるシステムができあがっています。この仮設トイレがいっぱいになった際、排泄用の袋を使います。凝固剤・脱臭剤がセットになっています。
さらにもっと簡易な物として、「もえるゴミの袋」に「ネコの砂」をいれて使います。吸水効果と脱臭効果もあります。もっとすばらしいのが、安い!ということ。 是非皆さんの家庭でも仮設トイレとして準備していただきたいです。

賀内:行政担当者に聞くと、備蓄はそれほどの日数分はない!といいます。県内の25市町村の防災担当者に聞いたら、4市町村では、「備蓄がなく、課題だ」と答えています。自分たちのことは自分で。という事なのでしょうか…

渡部さん:備蓄がないというのは、大きな問題!!
行政として防災対応の基本であって、最低限市民の為に水・食料・毛布の備蓄を早急にしてほしいです。3日程度の備蓄を!

「私にも出来る、我が家の耐震対策」 2008年5月20日(火)放送

賀内家で実際に、秋田市防災対策課の木村俊夫さんと共に検証してみました。

【本棚】後ろをL字でとめてある。→対策されている。

【冷蔵庫】冷蔵庫の上にホットプレートが!→軽いもので、落ちても障害のない物ならいいが、重く、硬いものは避ける。

【食器棚】何もしていない。→L字、天井までのつっかえ棒で対策を。安価でできる。

【食器棚の中】皿・コップを1つ1つおさえるのは困難だが、皿やコップの下にゴムシートを敷くことで、摩擦で落ちにくくなる。

【食器棚の扉】ガラス面に透明なフィルムを貼ることでガラスの飛散を防ぐ。食器があたったことによるキズも防ぐことが出来るのでおすすめ。新しく耐震対策の物を購入するのではなく、これらのものは、今ある物に付け加えるだけなので、単価が低くすむ。

【寝室】阪神淡路の時は早朝で寝ている方が多かった。枕元に、テレビ・タンスが飛んでくる。→頭の周りから危険なものを排除することを心がける。

〜この他に、見落としがちで改善する点は?〜

【食器戸棚】観音開き(開くタイプ)。開いてしまうと中のものが飛び出してくる。開きづらくする金具で、扉が開かないようにする。

【居間】ブラウン管テレビ、落ちて割れると危険な要素となる。→落ちないように、チェーンで壁にとりつける。

【寝室】24Hでリスキーなのは、寝室。家具のない部屋にする。無理ならば、背の低い家具だけにする。

Q.家具の耐震対策をすることで、何が期待できるますか?

A.建物は大丈夫でも、家は揺れます。家の中で家具に殺される!ということがおきるわけです。
家具の転倒防止は、全ての耐震化されている・耐震化されていないに関わらず、 自分の命を守るという事で必ずやっておいてほしいです。家具の転倒が起きると、ガラスの飛散などでその家に住むことができなくなります。また、ガラスなどで足を切ってしまうと次の行動ができなくなります。
しかもこれらは比較的安いコストで、かなりの大きい効果が期待できます。阪神淡路以降では、圧倒的に転倒防止金具が増えました。 以前はダサイものしかありませんでしたが、今は、色やデザインなどお洒落なものがでています。 しかも、なによりコストが安い!!是非実行してください。

「地震に強い家を作る」 2008年5月19日(月)放送

賀内(以下、賀):秋田市役所で建築指導をしている佐々木昭仁さんとともに自分の家の耐震強度がどのくらいあるのか検証します。家の耐震診断は、専門家でないと出来ないのでしょうか?

佐々木さん(以下、佐):国土交通省が監修した、住宅の所有者向けに作成したリーフレットがあります。それが「だれでも出来る我が家の耐震診断」です。

:そのリーフレットの中には、10の質問があります。

【1】建てたのはいつごろですか?
1981年5月以前か?(旧耐震基準)1981年6月以降か?(新しい耐震基準)
S56年6月に建築基準法が改正されました。なので、81年6月以降か、5月以前かに分けられます。阪神淡路大震災の時に、新しい耐震基準の建物は被害が少なかったと報告されています。

【2】今まで大きな災害に見舞われた事はありますか?
床下(上)浸水・火災・車の突入・大地震・隣の土地の崩落。これらにあてはまると 0(ゼロ)点。日本海中部地震の時に存在した家は、外見ではわからないダメージをうけている可能性があるので専門家の詳しい判断が必要です。

このほかの質問に、「建物の平面はどうなっているか?」というのがあります。

渡部さん(以下、渡):これは、建物のバランスを見るということです。四角・L字型・T字型なのか?シンプルな四角だと一番地震に強いとされている。増築などをすると、建物のバランスが良くないこともあります。

:診断の結果、私の家は6点でしたが…。

:6点だと心配なので、専門家に見てもらったほうがいいと思います。10点でも一応専門家に見てもらったほうがいいですね。

:では、自分で耐震診断をして、実際に専門家に詳しい診断や家を補強をしようという時ですが、気になる費用(お金)ですが…。

:耐震診断にかかる費用は、多くの自治体で無料で提供しようというところが増えてきています。
また、診断の結果、家を補強する事になった場合は、一部の補助をだしてくれます。
東海地震のメッカである静岡県では、補強の費用は1戸あたり30万円です。もっとも進んでいるのが、神奈川県の横浜市で、最大で1戸あたり300万円。300万円だと、ほとんど持ち出しが0(ゼロ)で耐震補強が出来ます。

:秋田県では、市町村で相談窓口があるのは、秋田市・大館市・横手市。ただ、県でも地域振興局があるので、全県を網羅している秋田市では、低所得者・住宅密集地などの制限がありますが、3万円。他には、融資があります。融資だと最大500万円。

:融資だと2重ローンなどの負担が増えるのでなかなか難しいです。

:では、お金をかけられないという方のためにどういうことがありますか?

:次に考えられるのが、「家具の転倒防止」です。お金はそんなにかけずにできます。特に寝室は、完全なる家具の転倒防止を実行に移すことを是非お願いしたいですね。